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エビデンスレベル: A / RCT数: 1 / メタ分析: 0

マルチビタミン・ミネラル(MVM)の日常的な摂取が、加齢に伴う慢性疾患の予防だけでなく、生物学的老化そのものを遅らせる可能性を示す画期的な研究結果が報告されました。

COSMOS試験とエピジェネティック老化

2026年3月に権威ある医学誌『Nature Medicine』に掲載された研究では、大規模ランダム化比較試験であるCOSMOS試験の参加者958名(60歳以上)を対象に、マルチビタミン・ミネラル(Centrum Silver)の2年間の毎日の摂取が「エピジェネティック老化クロック(DNAメチル化に基づく生物学的年齢の指標)」に与える影響が評価されました。

主な研究結果

  • 生物学的老化の有意な遅延: 2年間の毎日のマルチビタミン摂取により、プラセボ群と比較して第2世代のエピジェネティッククロック(生物学的年齢の精密な指標)の進行速度が有意に低下しました。
    • PCGrimAge(年間変化差): -0.113年/年(95%信頼区間: -0.205 to -0.020; P = 0.017)の進行遅延。
    • PCPhenoAge(年間変化差): -0.214年/年(95%信頼区間: -0.410 to -0.019; P = 0.032)の進行遅延。
  • 老化加速群における顕著な若返り効果: 試験開始時点で「生物学的老化が加速していた群(ベースラインの老化時計が進んでいた人)」においては、マルチビタミン摂取による老化遅延効果がさらに顕著(PCGrimAgeで-0.236年/年の遅延)となり、有意な相互作用(P = 0.018)が確認されました。
  • ココア抽出物(フラバノール)との比較: 同試験(COSMOS)で並行して評価されたココア抽出物(1日500mgのココアフラバノール、うち80mgの(-)-エピカテキンを含む)の摂取群においては、評価された5つのエピジェネティッククロックすべてにおいて有意な老化遅延効果は認められませんでした。これにより、マルチビタミンに特有の微量栄養素の複合効果が裏付けられました。

Dr. FJの視点:実践への応用

この研究は、比較的手軽で安全なマルチビタミン・ミネラルの摂取が、細胞レベルでの老化プロセス(DNAメチル化)に好影響を与える可能性を示した点で非常に重要です。ただし、効果量は小さく、これだけで老化を完全に止められるわけではありません。

バランスの取れた食事(地中海食など)や定期的な運動を基本とした上で、不足しがちな微量栄養素を補う「ベースサプリメント」としてマルチビタミンを活用することは、健康寿命延伸に向けた合理的なアプローチと言えるでしょう。

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投稿者プロフィール

Dr. FJ
Dr. FJ所長、臨床医、医学博士
日々病気に苦しむ人々と向き合う現役臨床医。最新の論文に基づき、エビデンスレベルを厳格に評価した長寿科学情報を発信しています。

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